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2007年01月 アーカイブ

2007年01月04日

新年あけましておめでとうございます&ブログ再開について

実に半年ぶりのエントリーになるのか。驚きだ。

改めて、新年明けましておめでとうございます。

半年前に、ミスによってデータの復旧ができなくなり、元に戻すのにこれだけ時間がかかってしまいました。またこれから、だらだらと書き綴っていきたいと思います。
この間に、山形の状況や道路整備・管理に関する状況も変わり、何より私が山形県民でなくなってしまいました。そうは言っても、どうせしばらくすれば戻ることになるはずですし、そう遠くないところにいるので、これまで通りに進めていこうと考えています。

日本海沿岸東北道沿線3県が小学生向けの資料を共同で作製

日沿道沿線3県が共同で資料作製-小学生向けに分かりやすく(山形新聞)

> 日沿道の必要性を小学生にも知ってほしいと、沿線3県が初めて作製。
> オールカラーの12ページで、巻頭で日沿道を「二十一世紀の陸の北前船」と紹介している。

「21世紀の陸の北前船」っていうのは、ちょっといいなと思った。
しかし、小学校四年生の興味の範囲にこの広域交流は入るのかなという問題が。
私なんか小学校四年生の頃って、隣の県っていったらめちゃくちゃ遠くの世界のことに感じたけど。それを近くさせるのがこうしたインフラとはいえ、はたしてこの年代に具体的な説明を行うことがどこまで効果的なのかわからない。

道路特定財源を高速道路会社の債務に投入?

高速道債務に国費投入、国交省など合意・改革に逆行(日本経済新聞)

> 国土交通、財務両省が2008年度予算から、
> 民営化した旧日本道路公団などの約40兆円の債務の一部を
> 国費で肩代わりすることで合意したことが明らかになった。
> 道路特定財源を使って高速道路会社の負担を軽減し、通行料の引き下げにつなげるという名目だ。

これが事実だとすれば、実に残念なことだ。あ、先に書いておくけど、感想が「残念なことだ」でお分かりの通り、今日は感情論がベースです。ごめんなさい。
さて、記事では日経の記者も

> 利用者にメリットがあるように見えるが、
> 国費投入は「国民負担なしに債務を返済する」との民営化の趣旨に反し、
> 財政負担の増大につながる。
> 構造改革に逆行する動きで、安倍晋三首相の判断が問われる。

と書いているが、おおよそ同意する。というのも、そもそも民営化における議論の根幹の一つには、旧公団を民間会社に変えるという点で、通行料金の範囲内で債務を返済するという、身の丈にあった(そして本来の趣旨でもある)高速道路の建設管理を行う会社像があったはずである。また、小泉改革のキーポイントでもあった財政投融資改革の一つでもあった、いかなる経路であれ高速道路建設に回る政府の金を無くすというのもあったはずである。(本四公団の債務には既に道路特定財源が投入されていたけど、金額の大きさ的にもここではちょっと除いて考える)
こうした前提を反故にすることは、どう見ても「お金余っちゃうけど、税率下げるのも嫌だし、地方に回すのも嫌だし、他の分野に回すのも嫌だし、だったら高速道路の債務返済に投げ込めばいいか」というような安直な考えにしか見えない。がっかりの一言だ。政府による「お金の使い方」に関するプライドが崩壊するとともに、2050年までに債務を完済するという協定まで結ばせた旧四公団のプライドも潰している。そりゃ、旧四公団にしてみれば「やりぃ、政府が金出してくれるぜ」っていう部分はあるかもしれないけれど、カチンとした協定組んで「さあこれから」という時に、気まぐれで政府が金をよこして来るというのは、気分のいいものではあるまい。というか、そういう気分というか気概でやってほしいと思う。

さて、ここで最終的な鍵を握るのが安倍総理だろう。道路特定財源を旧四公団の債務のために投入するというのは(前述の本四の例は除いて)枠組みすら予定されていない。
安倍総理は今年の年頭所感
> まず真に必要な道路予算の額を決めた上で、
> それ以上の揮発油税などの税収はすべて一般財源とすることとします。
と語っている。はたして旧四公団の債務に投入することは、「真に必要な道路予算」と言えるのか?この釈明もかなり難しいのではなかろうか。

2007年01月05日

山形鉄道が長井線にちなんで「日本一なが~い卓上カレンダー」を作製

長井線の卓上カレンダー・山形鉄道が発売(山形新聞)

> フラワー長井線を運行する山形鉄道は、
> 「ながい」にちなみオリジナルの「日本一なが~い卓上カレンダー」を作った。
> 5日に長井駅で発売する縦8.3センチ、横212センチ。
> 1枚では印刷できず、4分割で印刷し張り合わせた。
> 折り畳んだ状態で下にはさみ状のクリップを付ければ、横長の卓上カレンダーとして使用できる。

なんと伸ばした状態だと縦横比が1:25.5という超アンバランスな卓上カレンダー。普通は12枚なり6枚になっている卓上カレンダーを横長に連続印刷して数珠繋ぎにしただけなのだけど、売れるのかな。しかも折って使うんじゃ一見して普通の卓上カレンダーと変わらない予感。
横212センチを折るなっていうのも無理な話なのだけど。

> 「長井線グッズ」と呼べる商品では、
> オリジナルカラーのけん玉、オリジナルキャラクターのキーホルダーに続く第3弾。
> 1000部を印刷し、長井駅で1冊 500円で販売するが、売れ行きを見て増刷も検討する。
> 特別列車の車内でイベントを行ったりした際の景品などにも使う予定という。

さあ、売れ行きやいかに。

06年の県内交通事故件数は5年ぶり8,000件台、死者数は49年ぶり50人台

06年の交通事故発生は8859件-5年ぶりに8000件台(山形新聞)
2006年の交通事故死者、51年ぶりに6千人台前半(読売新聞)
昨年・東北交通事故死者 48年ぶり500人台に減(河北新報)

昨年(2006年)の交通事故の関係の話題の一つは、なんといっても交通事故による死者数が51年ぶりに6,000人台の前半(6,352人)になったことだろう(飲酒運転の話とかはひとまず置いておく)。
東北6県に限って見ても、死者は600人を切った(527人)。これは48年ぶり。
さらに山形県に目を移すと、鳥取、島根といった死者数下位の常連県に続いて全国3位というすばらしさ。死者57人と、60人を割ったのは49年ぶりだそうな。

しかし一方で事故件数を見ると、全国的、そして山形県も減少に転じた(全国は2年連続で減少)が、死者数が平成8年に1万人を割ってから猛烈に減少していった(10年間で2/3以下)のに対して、事故件数そのものはようやくピークを越えたかどうかといった状況だ。

この捉え方は恐らく2つあって、「事故が起きても致死率が下がった」というのと「大事故が減って小規模な事故が増えた」というもの。
前者は警察さんがよく言う話であるのだけど、例えば「シートベルトの装着率の上昇、啓蒙活動によって死亡事故が減っている」というものだったり、「救命救急の向上によって助かる命が増えた」というもの。なるほど。シートベルトの話は嘘くさいと思うけど、これは確かに一理あると思う。

しかし、後者のような部分もかなりあるのではないかと考えている。例えば県内の昨年の交通事故死者を見ても、65歳以上の高齢者の割合は依然として4割を超えているなど、高齢者が事故に関係する割合は非常に高い。こう書くと失礼にあたるかもしれないが、間違いなく「事故に遭いやすい」人が今後も増えていくのだ。さらに書くと、こうした高齢者は事故の当事者にもなりやすいのではないかと思う。それは反応速度の低下とかまあもろもろあるだろうが、素人の推測でも、飛ばしたがりの若者と同じくらい高齢者の運転は怖いものがある。九州管区警察局がまとめた交通事故発生状況によれば、事故の第一当事者となる高齢者はやはり増加傾向のようだ。「事故に遭いやすい」「事故を起こしやすい」人たちが増えていく以上、事故件数の減少はかなり難しいのではなかろうか。

そして、いちばん嫌なのが、この昨今の「交通事故の死者数が減った」というのを世の中の人が「事故が減った」と勘違いすることだ。車を運転する以上事故の危険は常に隣り合わせだし、いつ自分がその身になるかわからないことを肝に銘じておかないとまずいよね。

2007年01月07日

朝日新聞はいったい何をやりたいのか

米福圏 高速道着々吉か凶か(朝日新聞)

という、東北中央道の福島~米沢のお話。ここでもたびたび書いてきた置賜地方vs福島の「ストロー効果」についてだ。上の記事では、山形と福島の県境を挟んでの二つの都市圏の攻防(それも嫌な響きだな)を吉凶両面から描いている。置賜も内部で温度差があるけれど、記事にもあるように危機感はそれなりにあると思う。ところがこれと前後して書かれた同じ朝日新聞の記事を見ると、
小国町、境界なき「小さい国」(朝日新聞)
変わる山形 消える県境(朝日新聞)

と、同じ県境を挟んだ山形-新潟、山形-宮城の話のはずなのに、こちらは県境解体論だ。
> もう山形も「県」にこだわらなくていい。佐賀が山形の明日を教えてくれた気がした。
と、なかなか恐ろしいことを書いている。確かに、情報化社会(これまたもはやレトロな単語だ)になって、それこそ町や県を越えて自宅と世界が直結する時代になっているし、県境を越えた交通の発達、人や物のやりとりも活発になっている。県という枠組みは見直されるべき時代になっているのかもしれない(小国の話なんかまさにそれだね)。けれども、はたしてそうして山形が都会(っていうほど都会じゃないんだけどさ)に食われていったときに、都会とつながっていない人たちはどうなっちゃうんだろうか。TXが開業した後のつくば市それと周辺の土浦あるいは県都水戸市を見ていると、けっこう面白い。

最後に一言感情論を。自分も山ほど仙台で買い物しておいてこんなこと言えた義理じゃないけれど、「山形の人が山形で稼いだ金を他県で使う」というのは、やっぱり面白くない。ゆえに、この朝日新聞の記事は、(話の展開やテーマとしては面白いけれども)いい気分にならないね。

県立新庄病院を発着する路線バス、一部を市営バスに転換

追跡やまがた:新庄の市営バス運行 交通弱者の視点で 学生や高齢者の足確保 /山形(毎日新聞)

これまで山交バスが運行してきた、新庄の県立新庄病院を発着する4路線の一部を新庄市が市営バスとして再スタートするというもの。

これはけっこう県内あちこちで出てくる話でなんだけど、両者の話もよくわかる。公共交通としての役割と、いち企業としての論理に挟まれる山交バス。かたや、公共サービスの維持と、昨今の「無駄な行政の削減」の狭間で揺れる新庄市。
結果として、記事にある

> 市は「高齢者も運転免許を所持する人が増えている。
> バスの利用者がさらに減り、学生が大半を占めるような状況になれば、
> スクールバスに切り替えることも検討する」と、状況次第では運行見直しを図る方針だ。
> 将来的には県立新庄病院を起点とする2路線が廃止される可能性もある。
>
> スクールバスへの切り替え方針は、今後さらに増加する高齢者に、
> 「通院する時には自分で車を運転しろということか」と受け止められる恐れもある。
> 市には今後、交通弱者の視点に立ったバス運営が求められる。

に帰着するのかもしれない。本来ならば、公共交通としての足は(それこそ営利ベースに乗らないところこそ)自治体などが担うべきなのだけど、どうも昨今はそれがなかなか許されない情勢(世論しかり台所事情しかり)にある。おまけに火の車の新庄市だ。これはなかなか辛いニュースだなと思う。

道路特定財源を高速道路会社の債務に投入?(その2)

先日書いた「道路特定財源を高速道路会社の債務に投入?」のエントリーに、道路構造改革の「とにかき」さんの「道路特定財源の一般財源化について 第4回 国費投入はそれなりの理由があり必然だ」からTBを受けたので若干コメント。

細かい説明は、上のリンク先に飛んでもらうのがいちばんなんだけど、このBlogというのがまた非常によく練られているBlogなのです。少なくとも私の
> 今日は感情論がベースです。ごめんなさい。
とか書いてるエントリーが引用されるとは思ってもみなかったくらい論理的なBlogなのです。

私の知る限り、日本の道路交通政策について論じているBlogの中でも指折りのもの。ゆえに、上記のエントリーの最後にある
> 料金値下げによって相対的に国民負担を減らすことは可能なのです。
というのも、考えのベースが異なるものではあるが、納得のいくものがある。考えのベースの相違というのは、言うまでもなく道路交通政策に対する視点の違いに通じるもので、かたや「道路交通政策」というマクロな視点で語っているのにも関わらず、私のほうはどちらかと言えば「有料道路事業の政策」という狭い枠内でしか語っていないふしがある。つまり国土交通省で言うと、あちらが「道路局」ならこちらは「有料道路課」みたいな。ごめん、余計わかんなくなりました。

ちょっと脱線するが、先の道路公団民営化の議論において、(私も含めてだけど)推進委など多くの人間が「道路交通政策」ではなく「有料道路政策」というこじんまりとした枠から抜け出せずに論じてしまったゆえに、道路交通政策が複雑化し足踏みしてしまった感はありますね。
某馬鹿作家はさらにこじんまりとした「日本道路公団解体政策」という枠で論じていたのでこれはこれでどうしようもないけれど。

やはりどうしても私は「今の有料道路制度ありき」というか、その枠の中でいかに稼ぎ管理し返済するかという点で見てしまうので(ちなみに現行方式でも完済は可能だと考えてます。もっとも、例えばそれを「国費投入によって前倒しすることで、国費投入と得られる利益の差を考えれば、一目瞭然でしょう?」というのは否定しないけどね。)、有料道路の利用者と管理者というせまっくるしい視点になっちゃいがちです(そこで、「じゃあ薄皮有料の場合はどうするの?」という問いはあるだろうけど)。そこに対して、「いやいや道路の受益者というのは、そこを通行する人間だけではなく、道路交通サービスを受益する国民全体(これもざっくりとした捉え方だな)なのですよ」という視点でぶつけられると、これはもう(いや、もちろんバカみたいな論理だったら別だけどさ)ぐうの音も出ないのです。というより、私もそういう視点で見るべきなんだよなあと、いたく反省しました。

2007年01月16日

東北地方の高速道路における交通死亡事故が約6割減少 2006年の調査から

平成18年東北地方の高速道路における交通死亡事故 ~ 死亡者数は対前年比で約6割減 ~(NEXCO東日本・東北支社)

このニュースのちょっと小憎らしいところは、死亡事故の件数及び犠牲者の人数に特化した話だっていうこと。試しに、一般道も含めた東北全体との比較をしようとして気がついたんだけど、このニュースだけだとわからないことがいくつか出てくる。例えば、交通事故の発生件数だったり、交通事故に伴う渋滞の発生件数、総キロ、あるいは通行止めの総時間などだ。

「安全な道路」という点では死亡事故っていうのは一つの大きな指標になるし、いわゆる死亡事故率(10億台キロあたりの発生件数)に換算してもかなり優秀なものになるだろう(通行台数がわからないので断定できないけど、優秀でしょう)。そういう意味ではご立派なこと。そしてそこに特化してプレスリリースするあたりが狡猾だ。

もっとも、そもそも高速道路というのは、
・歩行者や自転車が原則存在しない。
・線形が非常にいい。
・双方向で交通が分離されている。(東北は未だ2車線の区間が多すぎるけど)
という点で一般道と異なっているから、当たり前と言えば当たり前なのだけどね。

逆に言うと、上の4車線化の話を除けば、死亡事故の原因はNEXCOよりも運転者が負う部分の方が多い。NEXCOの取り組みもさることながら、ドライバーもさらに安全運転に努めないといけないね。

2007年01月17日

朝日町のR287にある明鏡橋が、選奨土木遺産に認定される

明鏡橋(旧橋)がH18選奨土木遺産に認定されました(山形県・道路課)

朝日町のR287旧道の名狭窄ポイントであり、名ビューポイントでもあった明鏡橋が、財団法人土木協会(すごいところなのかどうかは知らない)から「土木学会選奨土木遺産」に認定されました。

平成18年度選奨土木遺産(財団法人土木協会)

ここは私も好きな場所なので、どんな賞なのかあまりよくわかっていなのだけれど、嬉しいですね。山村風景を抱きながらとうとうと流れる最上川。その風景を邪魔することなく見事に溶け込む美しい橋です。今年で竣工70周年だったんですね。

2007年01月19日

NEXCO東日本がETCマイレージのポイント2倍+新規購入割引のキャンペーン

『ETCご利用応援キャンペーン』を実施します
~ 2月、3月の土日祝日はマイレージポイントが2倍に ~
~ 新たにETC車載器を購入された方には5,250円を割引く購入支援を実施 ~
(NEXCO東日本)

タイトルにもあるとおり、2つのキャンペーンを行うそうだ。

・ポイント2倍キャンペーン(2月,3月の土日祝日のみ)
ETCマイレージサービスを利用している人が対象になる。通常は50円で1ポイントのところ、これらの日に利用すると50円で倍の2ポイントがもらえるというもの。
ただいつも思うんだけど、高速道路って「ポイントが溜まりやすいから使う」っていう手ごろさは無い気がするんだけどね。

・新規車載器セットアップ者に割引(2月,3月のうち先着13万人)
こちらはこれからETCを取り付けるという人向けのもの。2月~3月にETC車載器を買い、セットアップまで行った(オンラインセットアップ店に限るみたい)人のうち、先着13万人にその場で5,250円が割り引かれるという。

高速道路3社が共同で『ETCご利用応援キャンペーン』(Response)
『ETC車載器購入支援キャンペーン』NEXCO東日本と中日本(Response)

県内の国道における『緊急事故対策』、実施箇所で交通事故3割減

交通死傷事故3割減!~『緊急事故対策』による効果~(国土交通省・山形河川国道事務所)
交通死傷事故3割減!~『緊急事故対策』による効果~(国土交通省・酒田河川国道事務所)
交差点での事故、約3割減-国交省と県警の対策が効果(山形新聞)

これはけっこう驚いた。先日「06年の県内交通事故件数は5年ぶり8,000件台、死者数は49年ぶり50人台」のエントリーで、交通事故による死者の数は減っているけど事故件数はさほどでもないことについて、重箱の隅をつつくように取り上げただけに驚きだ。

国交省の記者発表資料でもわかるように、昨年の県内の事故件数は1割も減っていない。けれども、事故多発地点と呼ばれる場所では、それなりの整備をもってこれだけ効果が上がるというのは、意外な結果。だけども、よくよく資料を見てみると、「ひどい状況」だったものを「普通の状態」に戻しただけのような補修事業にも見えるんだよね。

2007年01月22日

高速道路の逆走防止へ「警告システム」導入

逆走防止へ警告システム 事故多発受け高速道路3社(共同通信)

不謹慎ながら、この記事でいちばん驚いたのが、その目的とか構造とかではなく、
> 警察庁によると、2005年に全国の高速道路で起きた逆走に伴う人身事故は27件で、
> 16人が死亡、37人が負傷している。
というところで、一瞬「案外少ないな」と思ってしまったこと。

ほぼ半月に1件というのが多いのか少ないのか、というのは非常に判断に困るけど、これだけ社会問題になっている(?)のだから、こうした対策はやむを得ないか。確かに寒河江のSAも(特に上り)駐車場がだだっぴろくて出口がどこにあるのか探す人も少なくないし。

ただ、気分的には、他に優先すべき改良工事や保全工事があるような気がしてならないんですけどね。全国350ヶ所あまりあるSA・PA(上下線あるので逆走の危険箇所があるのは700ヶ所あまりということか)で年間27件。微妙すぎる。誤進入その他の理由で起きるETCレーンでの追突や、無理な路肩追い越しとかのほうが件数多いんじゃないだろうか。

じゃあ、逆走車は逆走する車だけに責任を負わせろと言うことか、というわけじゃないけどね。案内しきれていない標識、警告しきれていない標識というのは、意味がない。本来起きるはずのない逆走が起きてしまう原因の一つは、正しく車を導けない構造があるからだ。
おまけに、高速道路ともなれば、極端な話100km/hと100km/hの車が正面衝突する。一度起きればその事故の悲惨さは想像に難くない。例えば、2005年は記事を見てもわかるように、27件で16人が亡くなっている。単純比較はできないが、平成15年度の高速道路での事故件数における死亡人数の割合は(注意:いわゆる死亡事故率=総事故件数における死亡事故件数の割合ではないので、そもそも指標として用いるのはどうかと思うけど、他に比べようが無いので)、1件に対して0.025人なので、20倍以上の危険性(繰り返すけど、単純比較できないので参考までの数字で)だ。件数が少ないからどうでもいいっていうことではないんですよ。

ただ、いかんせんその「警告システム」とやらが、10ヶ所程度での導入で、もっと言えば仮に全ての入口に設置したとして、どこまで効果があるのか疑問なのです。そもそも逆走に気がつかないようなドライバーに対して有効なシグナルを送れる警告というのはどのようなものなんだろうか。逆走してしまうような人というのは、そういうのを認識できるかどうか怪しいような気がする。

2007年01月24日

1月に入って死亡事故が急増 山形県警が街頭指導の強化など緊急作戦

死亡事故ゼロへ緊急作戦、街頭指導を強化・県警(山形新聞)

ここのところ交通事故、特に死亡事故のニュースが多いなと思ったら、山形県警がきょうから金曜日まで「交通死亡事故抑止緊急3日間作戦」というのを行うそうです。いつも思うけど、こういうのって「呼びかけを行う」という警察官の実際の行動よりも、「警察でこういうことをやります」っていう周知・報道のほうが「事故が多いんだな」っていう警戒心を呼ぶ気がするんだよね。皮肉なことに。

記事によれば、1月に激増した死亡事故を詳しく見ると、やはり高齢者による事故が多く、しかも、

> 道路凍結によるスリップ事故など「冬型」の事故よりも、
> 昼すぎから夕方にかけて、ドライバーが歩行者に気付かずにはねるなどの
> 「秋型」の事故が目立つのが特徴。

という、半ば納得で半ば意外な事実。そういえば、秋と冬とでは雪や凍結がある分だけ冬の方が危ないイメージがあるけれど、逆にそれによってスピードは落ちるし注意もするから、案外一概には言えないのかもしれない。

> 同課は「高齢者は暗くなる前に用事を済ませ、
> ドライバーは夕暮れ時には危険を感じたらすぐに停止できる安全な速度での運転を
> 心掛けることなどが大切。雪がないからといって油断しないでほしい」と強調している。
とのこと。

2007年01月25日

今なお全国に「あの山形の学校」と言わしめる鶴岡・朝暘第一小学校の図書室

貸し出し冊数“日本一”見えた 沼津大平小(静岡新聞)

本年度、既に児童一人あたりの図書貸し出し冊数が100冊を超えているという静岡県は沼津市立大平小学校の話。

ここで引き合いに出されているのが、4年前、学校としては33年ぶりに学校図書館大賞を受賞した鶴岡市立朝暘第一小学校だ。県外の人にとって「朝暘」が「ちょうよう」と読めないからか「あの山形の学校」と言われているが、紛れもなく全国的に名の通った図書館を活用した教育の先進校なのだ。これは、ほとんど縁も無かった学校だけど嬉しい。

けれども、方々の話や資料をさらっと読む限り、朝暘第一小のすごいところは、単に図書室を新しくしたり蔵書を充実させるという方法ではなく、小学生が給食を食べるように本を読むような環境と習慣をローコストで構築したことにあるんだと思う。何事もハードだけではなくソフトも大切なんだなあと思った。

鶴岡市立朝暘第一小学校
朝暘学校 - Wikipedia
Benesse「VIEW21 2005年4月号」教室を超えて生きる国語力~実践事例 山形県 鶴岡市立朝暘第一小学校

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