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2006年07月 アーカイブ

2006年07月04日

道路機構の給与、ラスパイレス指数で140オーバー

道路機構の給与は1.4倍 国と比べ、国交省調査(共同通信)
独立行政法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(日本高速道路保有・債務返済機構)

これはまた中途半端に書いて混乱させるのが十八番な共同通信らしい記事。
ぶっちゃけ、数字だけ見ると異様な感じはするが、役職構成を見てぶったまげた。こりゃ高くなるわ。85人の職員の構成を1つの部を基準に平均する(つまり単純に部長の人数で割る)とこんな感じになる。
・部長:1人
・課長:1人
・課長代理:2人(2.22人)
・係長:4人(3.56人)
・係員:2人(1.67人)
すげえ、係長がヒラっていう状況があるのか!
役員も無駄に多いし!

とはいえ、こんな給与状況になっている=職員構成になっている状況も理解できないわけではない。そもそも保有機構は、旧六公団が分割民営化(首都高・阪高から出向している人なんているのかな)されてできあがったもので、業務の特殊性を考えても兵隊の人数が多いわけがない。しかも出元の給与水準もそこそこ高いし、そこからさらに肩書きがご立派な人がくるわけだから、そりゃ平均給与も高くなるといういう話。
要は、その分に見合った仕事をしてくれりゃいいんです。意味不明に多い役員を含めてさ。その、「つうかこの人員構成で何やってるの?」まで詰め切れないところに、記者の甘さと保有機構の説明能力の甘さがある気がする。「そもそも高給な構成になる環境なんです」って今どきそんな環境ねえよ。みたいな。

ラスパイレス指数の算出方法(総務省・PDFファイル)

2006年07月12日

山形市の「中心街100円循環バス」、運行延長を商工会議所が検討

山形100円循環バス  運行延長で客増を  山形商議所 検討スタート(読売新聞)

山形市内の100円バスの運行時間を現行の日中9時間から拡大しようというもの。その効果のほどは疑問だなあ。たとえば朝夕のラッシュ時にかけたとしても、中心部を循環するだけじゃ需要はないだろうし、かえって渋滞に拍車を掛けるだけだったりしてね。むしろパークアンドライドとかを促進することのほうが効果があるんじゃないのかな。
それより、運賃で経費が賄えていないというのには、「ああやっぱりな」っていう感じです。

2006年07月13日

14日から寒河江SAに「オストメイト対応トイレ」が設置

東北の高速道路で『オストメイト対応トイレ』が増えます(NEXCO東日本・東北支社)

すいません、『オストメイト対応トイレ』ってどういうのですか?と思ったら、しっかり書いてあった。
> 『オストメイト対応トイレ』とは、日本全国に約20万人いるといわれている
> 人工肛門や人工膀胱を保有するオストメイトの方にもご利用いただけるトイレです。

なるほど。いいことだ。
としか書きようがないけど、いいことだ。
ちなみに、タイトルにも書いたけど、寒河江SAでの利用開始は明日14日から。

国交省がスマートICの本格導入に向けて実施要綱を策定

スマートインターチェンジ[SA・PA接続型]制度実施要綱の策定について(国土交通省道路局・記者発表)
国交省がスマートICの本格導入に向けて実施要綱を策定(Auto Gallary Net)

かいつまんで結論を書くと、「SA・PA接続型のスマートインターチェンジを本格活用していきましょう」という、今さらかよなもの。もう少し踏み込んで書くと、
・現在、全国各地で「社会実験」という名目で設置されているスマートICについては、「条件の整ったところから、速やかに本格導入を目指します」
・これからの導入については、(1) 地元自治体が主体となり発意し、(2) 関係機関で検討・調整・所要の手続きを進め、これによって設置することが可能。
ということ。

まず社会実験中の寒河江SAのスマートICだけど、これが本格運用される要件である「条件の整ったところから」の「条件」とはなんだろう?要綱の第3を見ると、スマートICの要件として以下のことが列挙されている。
・高速自動車国道法第11条第1号に規定された施設であること:道路・交通に供する通路・施設であること。つまりICの形式が整っていることの要件であると思われる。
・費用対便益がB/C≧1.0であるなど、社会的便益が得られ、地域住民などに説明責任が果たせられるもの:つまり、まったく使う人がいないようなところには作れない。
・NEXCOと自治体はコスト減に努め、スマートIC設置に伴う管理・運用コストの増は、当該スマートICによる増収で賄うこと:上の条件は社会的な便益だけど、この項目では会社にとっても採算性が取れる場所にしか設置できないことになる。
・当該スマートICの管理・運営については、関係機関による協議会で調整されたものであること:つまり、地元の足並みを揃えろ、と。

これは、場所によってはあっさりハードルを越えられそうだけど、寒河江ってけっこう厳しいんじゃないのかなあ。まあ今後県内で導入されるかどうかだけど、そもそも県内にSA・PA・BSって少ないんですよね。山形蔵王PAはIC併設だし。月山湖には絶対できないだろうし。櫛引PAもかなり厳しいような気がするなあ。確かに庄内あさひ~鶴岡は距離があるので、あってもいいとは思うけど、条件的に厳しいんじゃないだろうか。少しタイミングがずれていれば合併特例債でとかっていうプランもあったのかもしれないけど、今の鶴岡市じゃピクリともしないんじゃないだろうか。

ちなみに、AGNでは
> スマートインターチェンジは、従来型のインターチェンジを設置するのに比べて
> 用地買収などの必要がなくETCゲートを設置するだけなのでコストが低いというメリットがある。
って書いているけど、これはダウト。ICに接続する道路の整備というのが非常に厄介で、寒河江の場合は簡単にいったけど、櫛引とかの場合だと近くの道路までの整備って少し手間なんじゃないのかな。現に、東北道の泉PAでスマートICを作ったときは、かなり地元ががんばって道路を広げたり線形を変えたりしたみたいですよ。

個人的には、東北中央道の山形中央~山形上山にあるPA予定地みたいなところに作ったら面白いんじゃないかな。ほら、西公園も近いし、R458も近いから、そこそこうまく行くような。というより、単に東北中央道使ってR348で白鷹のほうに抜けるのが非常に面倒くさいから言っているだけなんだけど。

2006年07月14日

スマートICは今後広がっていくのだろうか

ということで、昨日書いた「国交省がスマートICの本格導入に向けて実施要綱を策定」に関連して、追加で報道されている記事があるので、まずは紹介。

まずは日経新聞が書いたバラ色の未来予想図の記事から。
国交省、ETC専用インターチェンジを全国高速に整備(日経新聞)
記事では、ETC専用のスマートICを「通常のICよりも低コストなのが特徴」としたうえで、
> 一般道から高速道路に接続するICを増やすことで高速道路を使いやすくするのが狙いだ。
> スマートICはETCを搭載している車だけが利用できる無人の出入り口で、
> 一般道から高速道路のサービスエリアやパーキングエリアに接続する形で設置。
> 費用は通常の料金所が数十億円かかるのに対して数千万―数億円に抑えられる。
と、ETC専用のスマートICの設置コストが通常よりも安いという前提に立って、こうしたICが今後増えていく、つまり利用者にとって利便性が高まっていくということを書いているように思える。

ここでまず疑問に思わないといけないのは、なぜ「スマートIC=ETC専用でないとならない」となるのだろうか。確かに昨日も書いた実施要綱では、スマートICはETC専用と定義されている。けれども、その前段となる「背景・目的」を読む限り、必ずしもETC専用にする意味があるとも思えない。大昔は、スマートICをETC専用にすることで無人ICとなり人件費も大幅に浮くというようなうわさもあったが、実際にはスマートICにも監視員がいる。一般車両(ここに大型車両を入れるかどうか、というのは別問題だが)も対象にすることで、建設コストや人件費コストがバカみたく増大するとも思えない。むしろ間違いなく利便性は増すだろうし、単純に考えてETC利用率60%(実際にスマートICの対象になる普通車・軽自動車に限ると少し下がりそうだが)と仮定すると、利用台数も1.6倍になるのだから、収支状況も向上するんじゃないだろうか。ETC/一般併用にするんだから追加コストといえば、収受員ブースの設置だけなので、今ある監視小屋の代わりに立てればいい。あとは収受員の研修だけすればいいんだから、そういった形のスマートICを検討してもいいんじゃないのかな。

そもそもスマートICが通常のICに比べて安価な理由は何か、というと、単に料金所施設が簡易であるとかそういうのではない。通常のICの構造を作るのには(形式によるんだけど、シングルトランペット型にしろY型にしろ)用地買収から大規模構造物の建設まで莫大な金額がかかる。その点、スマートIC はSAやPAなどの既存の施設にくっつけるのが根本にあるんだから、本線からの構造については考えなくてよい。そこでコストが大幅に削減されているだけなのである。
そこらへんに気がついて、「あれ?そもそもなんでETC限定なんだっけ」というところに踏み込んでほしいなあと思うのです。

続いてResponse。
スマートICの行方、地元の判断次第(Response)

これはまたこの通りで、日経が「このあともバンバン増えていくんじゃね?」って書いているけど、実際にはこちらの記事の通りになると思う。かの要綱も、設置に向けての要綱というよりは、地元自治体に対する覚悟のほどを求める「踏み絵」とも言うべきものな気がする。
ちくしょう、日経の記事にエネルギーを費やしすぎてしまったので、この辺で。というよりResponseの記事を読んでいただければ大方の人は納得していただけるんじゃなかろうか。唯一突っ込みどころを上げるとすれば、
・スマートICの地元負担は、接続施設(SA・PA)の立地条件によるのでピンキリだということ。
・そもそもSAPAなんて連結することを前提に考えられていないので、既存のICなどと違ってほぼ間違いなくアクセスが悪いから、もともと地元に分が悪いということ。
を考慮して書いてほしいかな、と。
つまり、もし今後スマートICの普及が停滞したとして、それは地元の努力が足りないからということや、地元に負担を求めすぎるシステムが悪いとは言い切れないのです。スマートICを設置する対象となるSA・PAが、元来ICとしての機能を考えて作られていなかったということも一因ということを考慮してあげないと、実験で終わってしまう箇所の自治体には酷なような気がするんですよね。

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