逆走防止へ警告システム 事故多発受け高速道路3社(共同通信)
不謹慎ながら、この記事でいちばん驚いたのが、その目的とか構造とかではなく、
> 警察庁によると、2005年に全国の高速道路で起きた逆走に伴う人身事故は27件で、
> 16人が死亡、37人が負傷している。
というところで、一瞬「案外少ないな」と思ってしまったこと。
ほぼ半月に1件というのが多いのか少ないのか、というのは非常に判断に困るけど、これだけ社会問題になっている(?)のだから、こうした対策はやむを得ないか。確かに寒河江のSAも(特に上り)駐車場がだだっぴろくて出口がどこにあるのか探す人も少なくないし。
ただ、気分的には、他に優先すべき改良工事や保全工事があるような気がしてならないんですけどね。全国350ヶ所あまりあるSA・PA(上下線あるので逆走の危険箇所があるのは700ヶ所あまりということか)で年間27件。微妙すぎる。誤進入その他の理由で起きるETCレーンでの追突や、無理な路肩追い越しとかのほうが件数多いんじゃないだろうか。
じゃあ、逆走車は逆走する車だけに責任を負わせろと言うことか、というわけじゃないけどね。案内しきれていない標識、警告しきれていない標識というのは、意味がない。本来起きるはずのない逆走が起きてしまう原因の一つは、正しく車を導けない構造があるからだ。
おまけに、高速道路ともなれば、極端な話100km/hと100km/hの車が正面衝突する。一度起きればその事故の悲惨さは想像に難くない。例えば、2005年は記事を見てもわかるように、27件で16人が亡くなっている。単純比較はできないが、平成15年度の高速道路での事故件数における死亡人数の割合は(注意:いわゆる死亡事故率=総事故件数における死亡事故件数の割合ではないので、そもそも指標として用いるのはどうかと思うけど、他に比べようが無いので)、1件に対して0.025人なので、20倍以上の危険性(繰り返すけど、単純比較できないので参考までの数字で)だ。件数が少ないからどうでもいいっていうことではないんですよ。
ただ、いかんせんその「警告システム」とやらが、10ヶ所程度での導入で、もっと言えば仮に全ての入口に設置したとして、どこまで効果があるのか疑問なのです。そもそも逆走に気がつかないようなドライバーに対して有効なシグナルを送れる警告というのはどのようなものなんだろうか。逆走してしまうような人というのは、そういうのを認識できるかどうか怪しいような気がする。