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東北中央道・東根~尾花沢、新直轄方式での建設に動く

東北中央自動車道東根―尾花沢間  県、建設費一部負担へ(読売新聞)

わー馬鹿だ。そんな弘にだまされそうだ。新直轄方式による高速道路の建設については、以前「国交省、17年度新直轄高速道予算1721億円を配布 うち山形には184億円」で書いたとおりだが、ここに新たに東北中央道の東根~尾花沢も加わる気配がしてきた。最終的には国土開発幹線自動車道建設会議(いわゆる国幹会議)で決まることになるのだけど、2月初旬とも言われているこの会議の前に、山形県が「新直轄方式でお願いします」と腹を決めたというわけだ。

ところがこれには喜んでよいのかどうか悩ましいものがある。まずメリットを上げると、
・国と県が拠出して造るので、東日本高速が建設する場合よりも早期に完成する可能性が高い。
・税金を投入して建設するので、利用する際は無料になる可能性が極めて高い。
といったところか。よい道路が早くできてタダで使えるというのは、いいことづくめのようだけど、デメリットがないわけではない。
・建設に必要なコストのうち、1/8(山形県は高速道路後進県なので)を県が負担する必要がある。
・そもそもこの区間に無料バイパスを建設する必要があるのか、という疑問はやはり残る。
既に17年度予算の中で、県は24億円を新直轄事業による高速道路建設(東北中央道の福島~米沢と、日本海東北道の鶴岡~温海)に投じている。記事によれば、東根~尾花沢の県負担分は総額で約110億円というから、年間で約7億円の負担がさらにのしかかる。

県は、昨年6月補正予算の直後に出した「山形県財政の中期展望(pdf形式)」の中で、「(財源確保対策を行わなければ)平成18 年度には調整基金が枯渇して財政赤字が発生し、(中略)財政再建団体に転落する見込みとなります。」と自ら警鐘を鳴らしたしたうえで、「(歳出面では)事務事業の総点検による事業の廃止・縮小、人件費の縮減、公債費の平準化などによって歳出を削減」するとしている。はたして、この期に及んで年間数億円を追加で負担する余裕が今の県にはあるんだろうか。県民の税金による負担という形で、他の歳出を切り崩しても早期に建設する必要があるんだろうか。ことこの事業に関して言えば、事業の性格上「やります」と言ったら110億円払って完成するまで、途中で逃げ出すことはできないだろう。斎藤知事はその覚悟を持っているんだろうか。

2つ目に書いたこととも関係するが、ご存知のように山形以北については既に13号線のバイパス化はほとんど終わっている。むしろ、もはや県道120 号線が旧道であったことを知る人は少なくなっているかもしれない。そこにきて、高規格の道路を東根~村山~尾花沢~新庄ともう一本つなぐ必要性が、あるかどうかという点で疑問が残る。ましてや既に開通している東北中央道の山形上山~東根は有料道路だ。新庄から無料の高規格道路に乗った車が、東根で有料道路を嫌って降りるだろうか、いや否。東根ICで降りてもR287からR13に出るには遠すぎて、だったら最初からR13で行くだろう。かつて公団は「ネットワークが形成されれば交通量は伸びる」と言っていたが、この区間に限って言えば相乗効果が望めるのか疑問でならない。

他方、山形上山~南陽高畠については東日本高速で作るそうだ。というより、県は受ける気がなさそうだ。あそこは確かに平行するR13も須川橋から先は未だに片側1車線だし、バイパスも鳥上坂まで来るのはしばらく先だろう。信号が少ないので流れは止まらないが、交通量が多いとどうしても「どうにかならないかな」と思う。もっとも、あそこも有料道路として作られたらどうだろうというのはある。

最後にこんなことを書くのは反則なのだけど、どうもこの記事は「飛ばし」っぽい匂いがする。この話、県がしたことになっているけど、その割にはソースがぼかされている。怪しいなあ。もともと1月中と言われていた国幹会議は来月早々にも開催と言われているようなので、県の中で検討していることは間違いないと思う。はたしてどうなるのか、いち県民としてどきどきしながら見守りたい。

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2006年01月24日 13:08に投稿されたエントリーのページです。

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