高速道路給油所におけるガソリンなどの石油製品の上限価格の設定を見合わせます(NEXCO東日本・プレスリリース)
【西日本高速】ガソリン販売の上限価格設定を一時休止(Auto Gallery Net)
高速道路のサービスエリア等にあるガソリンスタンドは、いわば閉じた空間の中にあるので、不当に値段が上がらないように上限価格と言うものが設定されている。そして、その価格というのは、記者発表資料にもあるようにいわゆる市場価格を基にしている。つまり、市場価格が上がれば、SAPAでの値段も上がり、下がれば逆という仕組みなわけ。市場調査をベースにしているので、その結果がまとまってから設定するというタイムラグが生じる。先月末の暫定税率失効に関連して、つい先日、「またしても高速道路SAPAのガソリン狂想曲」というエントリーを書いたけれども、この時はてっきり市場価格に合わせて上限価格を下げることを考えていたため
> あくまで上限価格なので、ここでNEXCO側が暫定税率分を引いた金額にすることは、
> そもそも課税のタイムラグを考えればやはり難しかろう。
と書いてしまった。
ここにきて、NEXCO3社と本四は、「当面、上限価格の設定を見合わせることとしました」という決定をした。「しまった、その手があったか!」と自分の頭の固さに恥ずかしくなってしまうね。これによって、暫定税率復活後に、市場では価格が戻ってもSAPAでは安いままというタイムラグは(絶対にありえないわけではないけれど)解消されるだろう。ただ、これは誰にとってプラスとなる方針かと言えば、市場価格が上がった際に、タイムラグ無しで同時に値上げできるスタンド側だけだろう。もともと暫定税率失効と同時にチキンレースで値下げに走った市中のスタンドに対抗して、上限価格の遥か下の値段に設定した高速のスタンドがいかほどあっただろうか。どうも都合のよいときにだけ仕組みを変えているような印象はぬぐえない。
一方、ある意味競争相手がいない独占的な環境そのものは変わっていないのだから、暫定税率が復活するまでの間でもSAPAのガソリンスタンドが、このまま140円台や150円台で販売することも予想される。AGNの記事でNEXCO西日本は、
> 「高速道路ガスステーションの営業者が不適当な価格で販売することがないように注視していく」
とコメントしているけれども、そもそも200円とかならいざ知らず、140~150円台という暫定税率込み相当の値段で売っていたら、これははたして不適当とは言い切れるだろうか。
今回の上限価格休止という処置が、はたしてどの程度影響するのか、神の見えざる手はどこまで働くのか、なかなか読みきれないところだ。