日沿道「酒田遊佐線」クロマツ林2カ所横断(朝日新聞)
これまで、
・酒田以北の日本海沿岸東北道、国土交通省がルート案を地元に説明
・酒田~遊佐の日本海沿岸東北道、都市計画案がまとまる
と取り上げてきた、酒田みなとIC以北の日本海沿岸東北道(日沿道)だけど、やはりというか何というか、環境アセスメント(いわゆる「都計アセス」)でつまづきそうだ。
> 案では、庄内地方の歴史的遺産であるクロマツ林を2カ所で横断する。
> 近くには、絶滅の恐れがあるオオタカの営巣地もある。
> 環境への影響を懸念する声もあり、16日と23日にある地元説明会では、議論を呼びそうだ。
「環境への影響を懸念する声もあり」というのは朝日の常套文句なところもあるのでとりあえず置いておいて(しかもオオタカの営巣地にしたって、今日び影響を受けない代替地が近隣にふんだんにあれば影響は小さいのはよく知られているし)、わざわざ松林や庄内砂丘を2度も横断する必要があるのか、経済的な面からしても環境面からしても怪しい。
おそらく、強引にR7にタッチさせる理由は、現在の酒田みなとが若干R7から離れていること、計画終点の遊佐もR345にタッチするので、北上した場合R7に出るのが少し面倒なことあたりだろう。多少強引にでもR7にタッチさせることで、利便性を少しでも高めようという狙いだ。
それはわかるのだけれども(尾花沢新庄道路の南端を尾花沢ICではなくR13接続点で暫定的に供用したりよくあること)、何もR7にハーフICを二つ作る必要性はあるのだろうか。関沢のハーフは別として、方向別ハーフICを二つ作るのは都心部に限られているといっても過言ではない。その理由はいたって明快で、用地費や建設費を考えたうえでのこと。こんな地方部では、用地にも余裕があるし、利用者への周知が少なくなることを考えても2つのハーフというのは疑問が残る。確かにICは多ければ多いほど利便性は高まるけれど、酒田みなと~遊佐の約12kmの間に2つハーフICを作るより1つフルICを作るほうが経済的ではないだろうか(さすがにこの場所だと2つフルを作ることは想定しがたいし)。
記事では、
> ルート東側のある遊佐町民(65)は「松林は飛砂や塩害から生活と農業を守る生命線だ。
> 日沿道は必要だが、松林を切っても影響が出ないよう、植林などの防風対策をしてほしい」と話す。
とある。こんな話を聞いたら、いっそ松林の東側を通して、ロングランプでR7に接続するICを1つ作ればいいんじゃないだろうかって思ってしまうんだけど。とはいえ、松林の東側だと今度は集落にもろにつっこむし、さらにその東になると軟弱地盤の田園地帯なうえにR7から離れるので本末転倒だしなあ。