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通行止めなどで途中で降りた場合の高速道路の料金

そういや共同通信発か何かの記事で、首都高のETCゲート通過時に割引後の料金が表示されず、タクシーの運転手がちょろまかしているっていう記事があった。幸い山形近辺ではそういうのはないけれど、ちょっと思い出したことがあったので、メモがてら書いてみる。
この時期ありがちな「通行止めで途中で降りたときの料金ってどうなるの?ETCの割引はどうなるの?」というもの。ここ数日はそうでもないものの、雪が降ったら東北のあちこちで止まってますからね。ここで重要になってくるのは、通行止めで出された料金所で「高速道路通行止め乗継証明書」をもらうこと。何も言わないと、もともとそこで降りる予定だったと思われかねないので(もっとも、そういうシチュエーションのときは料金所の人も聞くだろうけど)、「くれ」と言ったほうが無難。
そうそう。偉そうに解説しますが、ちゃんとしたことはしかるべき場所のしかるべき人に聞いてください。自分は何の責任も負えませんので。

まず、基本的な知識として。ドラなび・Q&A・高速道路の通行料金「通行止めにより一旦高速道路を降り、再度乗り継いだ場合の料金調整について教えてほしい」。

例えば、山形蔵王ICから仙台宮城ICに行こうとして(1,600円)乗ったら、笹谷IC~宮城川崎ICが通行止めだった場合を考えてみる。まず、しぶしぶ笹谷ICで、「山形蔵王~笹谷(550円)」の料金を払う。で、R287を下ってから再度乗って仙台宮城ICへ。このとき、「宮城川崎~仙台宮城(900円)」を払うと、一見して安くなっている(1,450円=550円+900円)んだけど、実は初乗りの分(実際にはターミナルチャージと初乗りって微妙に違うけど、感覚としてこれに相当するかと)だけ、一回余計に払っている。つまり、東日本高速にしてみると、「(1)本来なら仙台宮城まで通しで計算(1,600円)するんだけど、まず笹谷で精算しちゃった(550円)。(2)だから、その差額(1,050円=1,600円-550円)を仙台宮城でもらえばいいじゃん。(3)ていうか、よく見たら通行止めしてるじゃないですか。(4)でも実際に乗った宮城川崎~仙台宮城の分をもらうと二重取りになる。(5)なので、(2)の額から(3)の分を減額しよう。(6)つまり、仙台宮城ICでもらう金額は、(2)の差額(1,050円)から、(笹谷~仙台宮城(1,200円)と宮城川崎~仙台宮城(900円)の差額)である300円を引いた750円で。(7)ということなので、全体で払った金額は、笹谷で 550円+仙台宮城で750円の合計1,300円。」ていうことで。

文字にするとまどろっこしいが、AD-(BD-CD)-ABもわかりにくいよね。さて、ここで上の例で行くと仙台宮城ICでの精算額と、通常の宮城川崎~仙台宮城の料金とで150円の差が出てくる。ここでピンと来た人はさすが。そう、この差が二重取りにならないようにしたターミナルチャージの分。
もう少しマニアックに書いてみる。高速道路の料金は基本的に「距離×24.6円/km+150円(ターミナルチャージ)」なのはけっこう知られてないけど、そういうこと。ここで、ドラなびにあるような例で、各IC間の距離をAB=x,BC=y,CD=zとし、運賃率をめんどくさいからpとする。すると、 D料金所で請求される金額は上の式でいくと、
{(x+y+z)p+150}-[{(y+z)p+150}-(zp+150)]-(xp+150)
={(x+y+z)p+150}-{(y+z)p-zp}-(xp+150)
={(x+y+z)p+150}-yp-(xp+150)
=(x+y+z)p-yp-xp
=zp
と。二度目に乗ったCD間の料金は、通常zp+150のはずなので、やはりターミナルチャージ分が調整されているのがわかる。
とはいえ、実際には長距離逓減(対距離部分が100kmを超えた分で25%割引など)があるので、単純にターミナルチャージの150円分の調整というわけでもないけれど、基本的な考え方は「最終料金所での精算額は、乗りなおし区間の実際の料金から、通行止めによる前後の未通行部分を考慮してそれなりに減じた額になる」っていうそういうことです。

長くなったので、ETCの場合の話は別エントリーで。

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2006年01月12日 11:02に投稿されたエントリーのページです。

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