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日本道路公団、役員及び幹部職員が給与の自主返上

幹部職員に給与5%分「自主返上」求める…道路公団(読売新聞)
道路公団、総裁ら幹部職員の給与を自主返上(朝日新聞)
役員及び幹部職員による給与の自主返上(日本道路公団)

かつて偽造回数券問題で道路公団の近藤総裁が、1月分の給与を全額返上したが、今回はそれとは少し趣が違う。

一つは、来年度(2005年度)までに2002年度比で30%の管理コスト削減の政府方針が出されていること。しかし、これに対して達成度はというと、2003年度末現在で5.1%減でしかない。窮余の策として給与の自主返上とはいかがなものか。

はたして、その程度(削減目標額1,800億円以上の0.1%)で管理費削減に効果があるのか。また、自分の身に置き換えてみても、総裁クラスの30%より、下っ端の5%の方が痛手だ。たぶん、その5%はまるまる私の小遣いから減らされる。他の管理効率の改善の方が、はるかに効果的なのではないだろうか。それとも万策尽きたのか。

さて、そもそもこの30%という空手形を切ったのは誰か、というと他ならぬ「道路関係四公団民営化推進委員会」が2002年の12月に出した意見書がおおもとになる。

この中の「9 改革の推進の手順及び移行時期等」という項目の中に「直ちに取り組むべき措置」として「コスト削減計画の作成」が挙げられ、全文引用すると、このようなことが書いてある。
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道路関係四公団は、新会社発足までに管理費(人件費等の一般管理費を含む。)を、具体的な業務の必要性に立ち返って徹底的に見直し、概ね3割縮減することを目指す。また、規格構造等の見直し、発注・契約方式の見直しに沿った建設コスト(人件費を含む。)の削減計画を策定する。道路関係四公団は、これらを踏まえて、役員退職金の廃止・見直しを含む総額人件費抑制計画を盛り込んだコスト削減のための計画を2002年度内に作成する。
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つまり、「ここが減らせるから、管理費をトータル30%削減」というのではなく、「30%の管理費削減をするため、必死こいて削れるものを考えろ」という「30%削減ありき」の意見書が出され、それが今日に至っているわけだ。

私は決して道路公団の味方だとか抵抗勢力だとかそういうのではないし、多少こうでもしないと劇的な変化がおきないことも理解できる。が、それで血を吐くのは下っ端だし、達成できなくて矢面に立たされるのも下っ端を含む道路公団のご面々なわけだ。で、もし吐血の上に達成できたとしても、評価されるのは総理だったり、どこかの作家だったりするわけだ。「どうだ、やっぱり3割削減できただろう」って。

まあ、それは極端な例だとしても、風潮として、これもやむなしということになるんだろうな。そして民営化後もしばらく続くんだろう。時代が時代だけに、JRが国鉄から華麗な転身を成せたのとは変わってくるだろう。

それにしても、トップダウン(だと思う)で「自主返上」って「自主返上」って言わないだろ、普通。1月に近藤総裁だけが自主返上した時、「他の副総裁や理事には『自主返上しろ』って言わないんですか?」とアホなキャスターが喋っていたのを思い出した。「他の奴だって言われなくてもしろよ」と思ったが、そんな質問をするあたり、さすがテレビ朝日だと思った。

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2005年03月02日 22:23に投稿されたエントリーのページです。

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