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ETC車の事故は増えているのか? 毎日新聞の日本道路公団の主張から

ことの起こりは毎日新聞のこちらの記事。
ETC事故:3割原因不明、道路公団が機種改良へ本腰--通信不具合?(毎日新聞)
それに対して、日本道路公団が書いたものがこちら。
平成17年2月9日付毎日新聞(夕刊)で報道されたETC車の事故の記事について(日本道路公団)

記事の内容及び、両者の主張の相違点は、道路公団のWebにもあるとおり、以下の3点になる。
・ETC車の事故は年々増えているのか
・何らかの不具合でバーが開かないという原因不明の事故は、全体の何割なのか
・これを受けて、道路公団が機器メーカーと対応に乗り出したのか
という、割とユーザにとっては気になることばかりだ。原因不明の不具合があっては、交換などの話が出てくるから。

さて、素人目にもわかるのは一番最初の点。利用者が増えれば、単純ミスによる事故も増えて当然。肝心なのは、事故数ではなく事故率であることは言うまでもない。これは毎日新聞の書き方がある種上手で、ある種ヘタクソなだけ。
しかし、公団の資料も書き方がヘタクソだ。何かごまかそうとしているんじゃないかと思うくらい。月平均利用台数と年間事故台数を並べられても、こちらは12で割ったりかけたりしないとならない。翻訳すると、(年間事故台数/12)/(月平均利用台数[単位:百万台])=(ETC車100万台あたりの事故台数)となる。これが、14年度は7.18台、15年度は3.04台、16年度(4~10月)は2.52台というわけ。

せっかくだから、山形っぽい考えをしてみよう。山形蔵王ICの一日の利用台数は約8,000台と言われている。このうち、ETC利用車が約25%とする(全国平均が約30%なので若干少なめに設定。実際はこれより少ないと思う)と、ETCレーンを通過する車は、入出合わせて約2,000台、年間で約73万台ということになる。これに先ほどの、100万台あたり2.52台をかけてみるとどうだろう。山形蔵王ICで起きるETC車の事故は、年間で1.84台ということになるぞ。先週、ETC未挿入でレーンを通過しかけて、バーに接触した身としては意外な結果だ。

ここから先は推測の話だが、「事故」の定義によるものではないかと思う。まず、想定される「事故」をレベルに分けて考えてみる。ETCカード未挿入の車が誤ってレーンに進入したとして、思いつく限り列挙してみる。
(1)未挿入に気付き、レーンに入る直前で急停車。どうにか事なきを得る。
(2)未挿入に気付き、バー寸前で停まったが、警告音が鳴り料金所のおじさんがやってきた。
(3)未挿入に気付いたが、停まれずにバーを突破。しかしどうやら車体にもバーにも傷は無い。
(4)未挿入に気付き、バー寸前で停まったが、停まったとたんに、後ろから来た車に追突された。
(5)未挿入に気付いたが、停まれずにバーを突破。車体に傷がついた。
(6)未挿入に気付いたが、停まれずにバーを突破。車体は無事だがバーが壊れた。
最初に書いておくと、どれも誉められたものではない。が、(1)は自分だけが焦って終わる。(2)(3)は、料金所のおじさんに注意されて終わる。そして恐らく(4)~(6)が、ここで言う「事故」にあたるのではないだろうか。もっとも、このうち(5)(6)は対物なので、事故として扱われているかどうかはちょっと怪しい部分がある。

しかしながら、(1)~(3)にしろ(特に2と3)、事故につながる危険性をはらんでいることには違いない。たまたまド田舎の料金所で、後ろから車が来ていなくて助かっただけで、「もし来ていたら」というのを考えるとゾッとするね。100万台に2.52台という数字の後ろに、その何十倍もの「隠れ事故」が潜んでいるような気がしてならない。

道路公団によれば、事故の理由の大半が未挿入によるものらしい。毎日新聞と違う理由はなんだろうね。それはこの際置いておくとして、理由が明らかなヒューマンエラーだと言っても、それはゼロにはできないわけだし、限りなくゼロに近づけられるような対策を道路公団が考える必要があるね。料金所手前のランプとかを通過する時に、警告音を出したりするとか、機械のほうで工夫できないのかなあ。責任が全部道路公団や機械にあるわけじゃなくって、利用する人間にも非があることはわかっているんだけど。

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2005年02月18日 18:51に投稿されたエントリーのページです。

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