高速バス利用者33%増 東北発着・100キロ未満(河北新報)
ついに、山形-仙台便の高速バスの利用者が100万人を突破。単純に考えると、112.7万人と言うことは、山形県民のほぼ全員が使ったことになるのか。かなり乱暴な計算だな。
注目すべきは、仙台-山形というような、車で1時間ちょいの距離&電車が平行して走っていても、メインの手段としてなりうること。もちろん、その理由の中には、仙台の集客力もあるし、仙山間の結びつきの強さや、仙台市内の駐車場の少なさもあるだろうけど。それにしたって、山形からほぼ同距離にある山形-米沢や山形-新庄の苦戦っぷりと比べると、ひときわ目立つね。
これを役人側に立って考えるとすれば、高速道路の整備効果ということかな。つまり、日中は1時間に1本という仙山線よりも、20分ヘッドの高速バスのほうが利便性が高い。しかも、なぜかよく止まる仙山線よりもある程度時間が計算できるという利点がある。そういう意味では、山形-米沢や山形-新庄の苦戦はわかる。
だが、競合する交通手段の状況に大きな違いがある。仙台へは仙山線とR286だが、県内の南北交通には、既にR13と新幹線がある。まして、北方向へはR13が尾花沢まで4車線化されているし、南も上山以南を工事中だ。そうした意味では、高速道路の整備の必要性にはやや疑問が残る。
そして、もう一つ考えなければならないのは、仙台との交流が盛んになるということは、人やお金が仙台に流れる可能性があること。もちろん仙台から山形への人の流れもあるだろうけど、普通に考えて仙台に吸い寄せられる絵を思い浮かべるのが自然でしょ。大都市への移動が便利になればなるほどに、近くなればなるほどに、近くに巨大な商売敵がやってくることを忘れちゃならないよね。