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スマートIC実験第1週、1日平均128台が利用

スマートIC実験第1週、1日平均128台が利用(山形新聞)

年末に始まった、山形道寒河江SAのスマートIC。どんなものかと思い、新聞を見て驚いた。一桁違うんじゃないかと。
確かに、寒河江SA以西に行く車の多くは月山越えを目的としている。西川ICの利用台数は、月山ICを抜ける台数に比べ格段に少ない。しかし、それはそれとして、寒河江スマートICの利用台数が、一日平均128台というのは淋しいものがある。

問題があるとすれば、まずニーズの問題がある。寒河江市街に出るには、従来の寒河江ICを利用してもさほど変わらない。利便性が向上するとすれば、左沢線よりも西側、あるいはR458経由で中山町の西部か大江町、R287経由して朝日町といった範囲だろうか。潜在的に高速道路のユーザが多く見込めない地域ではある。
ただ、はたして今回の調査結果がそのまま評価に結びつくかは疑問だ。時間設定からわかるように、狙っている客層は、西村山から山形市内へ向けての通勤客だろう。期間の後半はクリスマスの飛び石連休もあり、俄かには判断できまい。まあもっとも、平常の期間であったとしても飛躍的にこの数字が延びるとは考えにくいけど。

ここで突っ込んで考えなければならないのは、ICを設置する意味である。まず、日本の高速道路のIC間の距離は欧米各国に比べて長いという点。ただ、後発高速道路では特にそうだが、必ずしも市街地に近いところを走っているわけではないので、IC間にもう一つ作ろうとしても需要がない恐れがある。もっとも、鶴岡ICのようにIC周辺が大開発されるという稀有な例もあるが。
次いで、ICを設置することで収益が必ずしも向上するわけではないという点である。今回の場合でいくと、寒河江スマートICができたことにより、西川方面から来る車にとっては「一つ手前=払う料金が減る」ICに、山形方面からだと「一つ先=払う料金が増える」ICになる。また、できたことによって新たに開拓される顧客というのも当然出てくる。IC設置を費用対収益という点でのみ考えると、これらのバランスと、さらにICを設置する費用とを天秤にかける必要が出てくる。もちろん、ICができることによって周辺地域が活性化されるという波及効果もあるが。そうしたときに、今回のこの128台という数字を見て、協力した地元自治体の長はどう考えるだろうか。施設は使われてこそ華。

最後に、今回の寒河江スマートICの成否は、他の多くのIC予備軍が日の目を見るか否かにも影響するだろう。128台という数字で「じゃあ他の場所でも」という気分になるだろうか?実験期間は3月いっぱいまで。これから「雪に強い高速道路」の本領発揮となるのだろうか。

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2005年01月05日 22:46に投稿されたエントリーのページです。

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