庄内南部との市町村合併を回避した町議会に対する解散請求が成立し、いわゆる「合併の是非を問う」選挙に突入した三川町。もともと鶴岡・酒田に挟まれた微妙な町が、町議会選挙でも微妙な展開を見せている。
記事のとおり、なんとも不思議なポスター掲示板になっている。確かに、これを見れば誰が合併推進派かというのが、何も知らない山形市民の私にもよくわかる。そういえば昔、どこかの村だか町だかでは、候補者のほとんどが同じ苗字で、名前がでかでかと印刷されているポスターになっている、というニュースを思い出した。
記事から拾うに、合併推進派の方の言い分としては、
・合併の是非をめぐる選挙なので、個々の議員を選ぶというより公約を選ぶ選挙だ。
・合併賛成派としては、合併賛成を掲げる候補者の当選を目指すので、経歴などは関係ない。
・なので、一部ではそういった情報を載せずにポスターを作成した。
・ポスターの統一や選挙運動での共闘体制をとる
と。
なるほど斬新な。合併の是非を含め、誰を選ぶかというのは、住民の意思に委ねられているから、私がごちゃごちゃ言う問題ではない。合併協議会からの離脱についても、議会と住民との間で乖離があったこともあるだろう。事実、先月の議会解散請求の住民投票でも、解散に賛成する票が有効投票の7割を超えたのだから。でもやっぱり、三川が鶴岡圏かというと、やはり微妙な感じはあるんだけど。
しかし、記事にもあるけど、町議会は合併するかしないかを決めるだけの機関ではない。選挙後すぐに、17年度予算を審議する3月議会が控えているはずだ。どうも、合併問題だけが先行するのには、疑問が残ってしょうがない。それともあれかな、「どうせ10月に合併するんだから」ということで、それさえ決めちゃえば残り半年の間にある他のことはどうでもよくなっちゃうのかな。そんな空気さえ感じてしまうのだけど。候補者全員に言えるけど、他の公約とかビジョンもちゃんとお持ちなんだろうか。
最後に。それでもやっぱり三川の問題は三川の方が決めるべきなので、活発な議論と腹のくくり方を期待します。
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なお、選挙の結果は以下のとおり、
合併賛成派が全員当選-三川の出直し町議選(山形新聞)
合併推進派9人と反対派6人の計15人で12のイスを争った今回の選挙。合併賛成派の9人が全員当選を果たしたのに対し、反対派は3人の当選にとどまった。
これで、一気に庄内南部の合併枠組みに加わる(とはいえ、新鶴岡市誕生後に編入合併だろうけど)ことはほぼ間違いないだろう。後から編入合併というのは、それだけを取ってみれば美味しくない。従前の議員たちが何やら判断を間違えていたようにも思えてくる。
それはそれとして、東北最大の面積を誇ることになる新鶴岡市が、さらに広くなりそうなことは間違いなさそうだ。